シェアハウス専門ポータルサイトのスタッフによる、シェア生活を楽しむための探検レポートブログ。東京、神奈川、千葉、埼玉、 そして全国各地のシェア賃貸住居をひたすら探検する専門ポータルサイトの隊員達。明日はあなたの物件へ・・・!?
雪国でのポテンシャル。
※2024/08/19 「Share Sapporo」へ物件名が変更されました
上京して知ったのだけど、どうやら僕は雪国で育ったらしい。雪と寒さと暮らした人は周りに聞いても極端に少なく、母校にクマが出た人は聞いたことがないのです。
冬、雪国の生活は楽ではなく、朝と週末の雪かきが思いのほか重労働。もちろん路面が凍結して自転車にも乗れないし、吹雪くと視界がゼロになります。風呂上がりに調子に乗って外に出ると、髪は凍ります。
好むと好まざるとに関わらず、雪と寒さとが暮らしの後ろについてきます。春を心底から待ち遠しく感じ、季節に喜びを感じられるのは雪国だけの喜びかも知れません。
と言いつつも、実のところ冬はかなり退屈するのです。
雪が降ると出かけられないし、外はすこぶる寒い。家の中にいるだけで楽しい住宅があったとしたら、あの頃の僕なら俄然興味が沸くような。
さて、本日のシェアハウス探検隊は、北海道・札幌市の「ソーシャルアパートメント 中の島」。元々は80室近くあるワンルーム・マンションでした。その中の幾つかの部屋を魅力的な共用部へと改修し、北国における新しい集合住宅の在り方にトライしています。
一般賃貸の入居者さんが住まわれている中で、なかなか豪快な取り組みでもありますが、実はこのようなケースが数年前からじわじわ登場しているのは、ひつじ不動産をくまなく見ているウォッチャーなら周知の事実(でもないか)。
ともあれ、改修工事の成果をじっくり見てみようと思います。
雪景色の中に浮かぶ、だいだい色の建物。どこか雪国らしい佇まいです。
道路に面して駐車場が設けられ、マンションは少し奥まって建っています。
アプローチは雪に埋もれていました。撮影は2月、札幌は間違いなく冬。
雪国では、共同住宅は雪かきが不要な点も嬉しいポイントだったりしますよね。
北海道の雪は気温が低いため濡れ雪にならないとは聞きましたが、それでも雪かきは楽では無いハズ。
玄関脇の黒塗りのボードには、堂々としたサインが掲示されています。
ちなみに地元っ子には常識かもしれませんが、中の島は豊平川と精進川の中洲に位置しています。
さて、正面玄関の左右には、当然のように各部屋ごとに分けられた集合ポストが用意されています。
なんとなく意外なことに、エントランスは特にオートロックということもなく。エントランス・ホールは、タイルも目地も白く塗装され、ちょっと新鮮な感じ。
正面にも外と同じく、建物のサインが掲示されます。
今回は白地に黒文字。細長い壁のタイルは、少しラグジュなトーン。
エントランスホールの中央に立って右を向くと、鍵の掛かった新しいドアがあります。
ドアの先は入居者だけが利用できる、共用設備が集約された空間。
コチラのドアはオートロックですが、使用する鍵は部屋の鍵とは異なりますのでご注意を。ちなみに以前からマンションにご入居の方は鍵がないので、そのままでは利用できないようになっています。(2012年4月現在)
住みながらの再生をスムーズに進める上で、これは運営実務上、とても重要なポイント。
内部には専有部もいくつかあるのですが、基本的には共用設備が集まっています。廊下の左手にラウンジとキッチン、右手に防音室、ランドリールーム、ビューティールームという配置。
まずは、やはりラウンジとキッチンへ向かってみたいと思います。
ドアには、可愛らしいデザインのサインが付いています。
ドアを開けると、そこはラウンジの玄関。右手には靴箱があります。
奥のラウンジへ入る前に、ここで靴を脱ぎます。同じ家の中なのに「靴を脱ぐ」という行為が、ちょっと新鮮だったりします。
日本人は靴を脱ぐことで「ウチ」と「ソト」を認識するという話がありますが、靴を脱ぐという「儀式」で、心のスイッチも入れ替わる感じがあるかもしれません。
ちなみに靴を脱いで良かったなと感じるのは、ザラリとした麻のようなラウンジの床の気持ち良い感触を知った瞬間です。
さて、ラウンジは3つのエリアにゾーニングされています。
入って正面のソファの置かれたリビングルーム、左のシアタールーム、右のダイニング・ルーム。
それぞれの空間には、南向きの大きな掃き出し窓が付いています。
リビングのソファ正面には大型のTVがあり、スポットライトの照らし出す空間もあいまって、直球でシックなトーン。
TVの下にはゲーム機(PS3)も用意されています。
大画面を見ながら、実写さながらにゲームをプレイできそう。
また、TVは共用PCの出力先にも設定できるので、動画を見るだけではなく、工夫次第で面白い使い方ができそうです。
続いては、お隣のシアタールームへ。
自分の家にシアタールームがある、それはとても贅沢なこと。
外に出なくても、楽しめる。ありがたやのシアタールーム。
天井には専用プロジェクタ-が設置され、投影された映像をゆったりとソファで見たり、ゴロゴロしながら見たり。5.1chのサラウンドシステムで、サウンドにも妥協なし。
外界と繋がる引き戸を閉じれば、映画の世界に没頭できそう。
陽当たりが良さげなので、外からの光は適宜、ブラインドで調節を。
こちらは、シアタールームから見たリビングとダイニング。
ラウンジは元々は3室のワンルームだったそうで、構造の関係もあり独特な導線になっています。ただ、そう聞かされれば「よくぞ」という知恵を絞った改修と言えるのではないかと思います。
窓辺には共用PCも設置されています。
モニターの出力先にTVやプロジェクターを選択すれば、イベント時など複数人でモニタを見たい時には重宝しそう。
ダイニングの壁に取り付けられた大型のホワイトボードは、かんたんな連絡やコミュニケーションを対面でなくともボード上で行えるようになっています。
これもまた、大型物件や今回のような集合住宅型のシェアハウスでは大事な工夫です。
さて、ダイニングには北欧の家具。
同じ北の地だからか、札幌という街によくフィットしている気がします。
ペンダントライトはガラスのシェードがついた小さめのタイプで、天井にはスポットライトも。
暖色系の控えめなライティングで、夜は少し落ち着いたトーンになる事でしょう。
ちないに、窓先には今後、ウッドデッキのテラスを設置する予定だそう。
が、残念ながら積雪を前に、手も足も出ず工事を断念されたとか。
雪融けが楽しみです。
続いてキッチンを見てみます。
システムキッチンが対面で2台設置されています。
キッチン間は広めのスペースがあるので、作業テーブルやキッチンワゴンも置けそう。
ちなみに、コンロはIHです。換気扇の排気パイプが程よいゴツさで、存在感アリ。
共用の大型冷蔵庫も用意されていますが、もちろん部屋にも設置可能となっています。
後ほどお見せしますが、各専有部の設備は通常のワンルームマンションそのもの。各部屋に一般的な使用に耐えられるキッチンはきちんと用意されています。
とは言え、毎日自炊する人なら別ですが、普通のワンルームマンションに住んでいる方のキッチンの使用頻度はどのくらいでしょうか。胸に手を当ててみると、週に1回も自炊しないという人も少なくないのでは。
ここならばいっそのこと、キッチンは共用部に頼ってしまって個室のキッチンは鏡を置いて大きな洗面台として使う、という発想だってアリだと思います。
棚には、いわゆるウォーターオーブンや電子レンジ、トースターなど備品も勢揃い。腕が鳴ります。
通常は引き戸が閉じられていますが、ホワイトボード裏には納戸が設けられています。
納戸の中には、各部屋ごとに用意された引き出し収納。
小振りですが食材や調味料を置くことができて、とても重宝するはず。
もちろん食材に限らず、DVD等をいれておくのも自由です。
さて、ラウンジから廊下を挟んで対面には、例によってビューティールームがあります。
利用はここでも同じく、靴を脱いでから。
女性専用のサロンのようなスペースは、1部屋分の広さがあります。ちんまりしたサイズ感は、個人的に好きな具合です。4人くらいで集いたい感じ。
マッサージチェアやマイナスイオン加湿器などが用意されています。
また、紅茶や珈琲を淹れられるよう、ミニ・キッチンまで付いています。
冷蔵庫もありますので、女子だけで話をしたい夜は、集まって酒でも飲めば良いと思います。ええ。
どんな話で盛り上がるかは存じ上げませんが、飲み過ぎてトイレが近くなったら、すぐお隣(ドア脇がトイレ)でどうぞ。
こちらはいたってプレーンなタイプです。
続いてビューティールームの並びには、ランドリールームと防音スタジオもあります。
中に入って正面の窓辺から左手にかけて、ドラム式の洗濯機が並びます。そして、防音スタジオは右手のドアの先です。
ドラム式は洗濯と乾燥の時間を考えると全体的に稼働時間が長いのですが、これだけの数があれば、さすがにそんな弱点もカバーできているハズ。
壁面も塗装仕上げ。
さて、防音スタジオのドアを閉めると、内部にはしーんとした静寂が。
壁に吸収されていく音、まったく反響しません。放たれた声が床に落ちていくような、不思議体験です。
防音スタジオは外にも専有部にも面していないので、音を出しても本当に問題が無さそうです。動作音もかき消される孤独なヨガだったり、黙々とこなすストイックな筋トレにぴったりです。
いや、楽器の演奏が1番いいと思います。当然です。
では、続いて1Fの専有部を見てみます。
こちらはモデルルームの107号室、基本的なつくりはどの専有部も同じです。
入って左手が靴箱を兼ねた収納、その先にトイレ、キッチンという並び。右手にはユニットバスがあります。
靴箱を兼ねた収納の上段には、洋服を掛けられますので、雪が付いたコートは部屋に入れずに済みます。
モデルルームとして設置されているインテリアは、札幌に店舗を構える北欧家具のお店からお借りしているのだそう。
気に入った家具があれば、こっそり値札が付いていますので購入も可能です。
洗濯機やキッチン家電や冷蔵庫を置かずに、共用部では補えない睡眠や勉強・仕事などの機能だけを持った専有部。
するとご覧の通り。普通のワンルームマンションがまた、広く感じられること。
窓際の収納にも洋服を掛けられます。
下段には暖房がビルトイン。暖房は備品として初めから標準装備。
キッチン脇にも収納スペースがあります。こちらは引き出し付き。
プレーンなキッチンは、割り切って大きな洗面台と捉えれば、面白く使えるのではないかと思います。
僕なら(ネジで外せるなら)吊り戸棚を外して、壁一面に大きめの鏡を取り付けたりして遊んでみるかも。さらにキッチンの扉にも家具に合うよう木目の出ている板に取り替えて、ステンレスの天板に板を置いて反射を無くすのも効果的。もちろん、原状回復のために外したモノは保管ですが。
マンションの1室だった頃の昔のひつじ社のオフィスでは、実はこの手法を実践していました。初めに少し手は掛かりますが、意外と簡単に変更できますし、必要とあらば元に戻せるのでオススメです。このくらいの年代モノであれば、キッチンの扉にカラフルなシールを貼ったりするだけでも、化けるかも知れません。
ユニットバスはまあ、至ってノーマルなスタイル。
トイレも同じくノーマル。
107号室は道路沿いの専有部ですが、建物と道路との間に駐車場があるので人通りや車の通りはさほど気にならないように感じました。
ただ、あくまでも感じ方は人それぞれ。入居の前によくご確認を。
続いて角部屋の105号室。入って左手に靴箱を兼ねた収納があります。
角部屋らしく2面窓です。
生活感のある部屋はあまり好きでは無い方もいるかと思いますので、この位がちょうど良いと感じる方もいるかも知れません。
オプションで家具付きにする事もできますので、希望であれば、入居前に条件を相談してみて下さい。
オプションの冷蔵庫を、部屋に置くとこんな感じ。
洗濯機も室内に設置できるよう、給排水の工事はできています。
キッチンは作業スペースもあり、都内基準だとワンルームでは少し広めのタイプ。
ユニットバスとトイレも全室に付いています。
窓は札幌らしく、断熱性能の高い2重サッシが標準装備。
全室にベランダが付いています。
1階のベランダの先にはガッチリ雪が積もっていて、一部がベランダに侵入しています。
雪が融けたら、ウッドデッキのテラスが左方に見えるのではないかと。
続いて鍵の掛かった共用部から外に出て、2Fへ上がってみます。
2Fのエレベーターと廊下。
この辺りは改装前からお住まいの方も使用されるということで、それはそれでご挨拶をどうぞ。
さて、201号室は和室付き。
奥行きは他の専有部と同じですが、幅がかなり広め。
必然的に、ベランダも横に長め。
使い勝手は良さそうです。和室には押し入れ収納も付いています。
専有部のドアノブは、昭和チック。
これはレトロと呼んで良いのでは。
こちらは素直な207号室。
床の色も、2パターン用意されているので、部屋選びの際に気をつけてみると良いかも。
同じく素直な310号室。
天井には配線ダクト(レール)が付いているので、照明のアレンジも簡単です。
洗濯機を室内に置ける場所は、限られています。
関東在住者にとっては見慣れないせいもあり、メカメカしさが新鮮。
フロアが変わると、ベランダからの景色も変わります。
4Fからは豊平川の川原も見えるのだそうな。
さて、最寄りの駅は、札幌市営地下鉄南北線の中の島駅。
そこから、てくてく歩いて12分。
大きめの通りに面しているのですが、小さな飲食店や商店が多めの印象。少し歩くと豊平川があり、川原でのんびり過ごせるのだそう。
ちなみに車の利用については、敷地内の駐車場は限りがあるので、事前に相談が必要かと。
さて、運営を担当されるのは「株式会社フィルド」さん。
聞けば、前職より長らくコーポラティブハウスや共用部の備わったマンションの企画・開発に携わっておられたそう。
東京から北海道への異動もあり、独立後も地元・北海道の為に経験を生かして、新たな試みを続けているのだとか。現在もご自身は設計を担当されているそうで「ソーシャルアパートメント 中の島」でも図面を引いたのだそう。
今後は入居者の増加に合わせて、マンション内に幾つか性格の異なる共用部を作っていきたいのだそうな。これからの動向にも注目しています。
北海道ではまだまだ数の少ないシェアハウス。どんな場所なのか、まずは実際に見てみたい方はコチラからお問い合わせ下さい。
今まで30年くらい生きてきた経験では、ロマンチストは乗り物と時間を手に入れると北へ向かう傾向があるようです。
一直線に続く道、丘陵地帯、道路端のエゾシカにキタキツネ。そして、うまいメシ!次こそは飛行機ではなく、バイクで出張に行きたいです。
嗚呼、もっとロマンチストになりたい。
(サトウ)
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